「花粉症が完治する」とは?
「花粉症が完治する」とは、どういう状態を指すのでしょうか?
「完治」とは読んで字のごとく、完全に治るということです。
つまり、「花粉症が完治する」とは、花粉症が完全に治って、花粉症の季節になっても症状が一切出ない状態のことです。
数年間、花粉飛散時期に花粉症の症状が全く出ない状態が続くと『花粉症が完治した』『花粉症が治った』と言えますが、判断は難しい所です。
花粉飛散状況により症状がよくなったり悪くなったりすることもあるので、飛散量が少ない年が続くと、軽症な人は治ったと思うかもしれません。
花粉症患者本人は治ったと感じていても、症状が軽くなっただけの場合もあります。花粉飛散状況が酷くなると再び重症化することもあるので、油断は禁物なのです。
また、一度完治しても再発することはありますので、たとえ花粉症が完治しても、不摂生な生活を避け、健康に気を使う必要があることは言うまでもありません。
花粉症は、基本的には一回発症すると完治するのは難しく、一生付き合わなければならないアレルギー疾患とされています。
しかし、近年では減感作療法の一種である舌下免疫療法が一般化してきたため、花粉症完治への道も開けてきたように見えます。
ただ、舌下免疫療法は、治療期間が数年と長期に及ぶ上、施術できる医師の数も限られているため、誰もが気軽に治療を受けられるという状況ではありません。
私見ですが、日頃の食習慣や生活習慣を改善し、
アレルギー体質改善 ⇒ 花粉症改善
という流れに持っていくのが最も自然で簡単な花粉症完治療法ではないでしょうか。
花粉症は一度発症すると毎年発症する 花粉症が怖いのは、一回発症すると毎年症状が出てしまうことです。しかも去年まで平気だった人も、今年は発症する可能性があります。ですので誰も安心できないということです。
アレルギー疾患の発症はコップに水を注ぐことに例えられます。
抗体(スギ花粉、ダニ、ハウスダストなどアレルギーの原因物質に反応して体内で作られる物質)、悪い食生活、ストレスなどの危険因子が少しずつコップにたまっていき、あふれたときに発症するのです。
一回あふれたら、抗原が入ってくるたびに症状が出るようになります。
花粉症になる人とならない人がいるのは、コップの大きさに個人差があるからなのです。コップの大きさの個人差というのは、つまり体質の違いのことです。
スギの花粉によって、なぜ鼻水やくしゃみといった花粉症の症状が起こるのでしょうか?
(1)抗原(スギ花粉)が体内に入ると、これを排除するための「IgE抗体」(正確には抗原特異的IgE抗体)が作られ、皮膚や粘膜にある肥満細胞にセットされる。
(2)再び体内に入った抗原が肥満細胞についているIgE抗体と結合する。
(3)肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの物質が放出される。
(4)くしゃみ、鼻水、せきなどのアレルギー症状が起こる。
要するに、スギ花粉に対するIgE抗体ができることが花粉症の原因です。この抗体ができなければ、スギ花粉をいくら吸い込んでもアレルギー症状は起こらないのです。この抗体を作りやすい人が、「アレルギー体質のある人」ということになります。
花粉症に対してはアレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬や点鼻薬がよく使われますが、これは症状を抑えるだけの対症療法に過ぎません。症状を抑えるだけで、花粉症を治すわけではないのです。
一回花粉症になったら毎年症状に悩まされるようになり、薬を飲んでも完治することはありません。
それでは花粉症は、一度なってしまうと一生完治することがない不治の病なのかと言えば、決してそうではありません。
花粉症完治に向けた生活習慣
花粉症はスギ花粉の飛び始める2月頃から鼻水・鼻づまり・目のかゆみなどの症状が現れるアレルギー性の病気です。
今日では日本人の3人〜4人に1人、3000万人が発症していると言われる国民病です。
昔はこれほど多くの患者がいなかった花粉症ですが、花粉が突然増えたために患者が急増したわけではなく、現代人の食生活の変化や大気汚染などが大きくかかわっていると考えられています。
同じ場所、同じ環境で育っても、花粉症を発症する人と発症しない人がいます。
個々人で免疫の働き方に違いがあって、花粉症は各個人の体質が大きく関わっているのです。
ですので、花粉症を治すにはアレルギー体質、花粉症体質を改善することが最も効果的なのです。
では、アレルギー体質、花粉症体質を改善するためにはどうすればいいのでしょうか?
花粉症の根本原因を根絶すれば花粉症は完治する 現代医学においては、花粉症はアレルギー体質による慢性病とされ、一度花粉症を発症すると完治することは難しいと言われています。
しかし、現実には花粉症になっても完治した人は少なからず存在します。
一方大多数の人は、長期間にわたって花粉症の薬が手放せない状態で、毎年花粉症の季節になる度ごとに薬や花粉症グッズに頼らなければなりません。
花粉症が完治した人と、毎年花粉症対策に追われている人。
いったいこの差はどこから来るのでしょうか?
花粉症発症には、遺伝的なもの、内蔵機能の低下、自律神経の乱れ、IgE抗体を作りやすい体質、免疫力の過剰反応など、花粉症体質が大いに関係しています。中でも、免疫力は最も重要です。
花粉症完治に向けた最重要キーワードが免疫力なのです。
免疫力の過剰反応は、様々な病気をひき起こす元凶でもあります。アレルギーは、侵入した異物に対して「免疫の過剰反応」によって発症するものです。花粉症も例外ではありません。
しかしこの免疫の過剰反応とは、決して、「免疫力が高い」と言うことと同義語ではありません。「免疫のバランス」が崩れたから免疫の過剰反応が起こるのであって、「免疫力が高い」から免疫の過剰反応が起こるのでは決してないのです。
「免疫の過剰反応」とは、異物(抗原)を排除しようとして、免疫細胞である 白血球が必要以上に働き、体に不快なアレルギー症状をもたらしたり、体内の正常な細胞まで攻撃誤爆(自己免疫疾患)してしまったりする状態を言います。
花粉症の場合は、
@Tヘルパー細胞が、侵入した花粉が無害であるにもかかわらず有害と誤って認識し、
A花粉が侵入する度に、B細胞にIgE抗体を作らせ、
B肥満細胞と結合してIgE抗体が体内に大量にに蓄積され、それが一定量を超えた時、
C度重なり侵入した花粉がIgE抗体と結びつき、免疫の過剰反応が起こり、ついには、花粉症をひき起こしてしまうのです。
花粉症発症の初期段階において、白血球の中のリンパ球の中のTヘルパー細胞が、侵入した花粉を誤って敵とみなして必要以上に攻撃することは、「免疫力が高い」こととはほど遠いものなのです。
「免疫の過剰反応」は、「免疫力が高い」現象ではなく、「免疫の異常」な現象です。異常とは、正常ではなく、「乱れている、狂っている、バランスを欠いている」状態です。それぞれの免疫を司る細胞たちが、何らかの理由でバランスを欠いている状態なのです。
従って、花粉症完治を目指すには、この免疫バランスを正常化することを目標とするべきなのです。
花粉症を治すには、
過剰な免疫反応を抑え、
免疫力を正常化ことが必要です。 免疫バランスを正常化すると、自然治癒力がよみがえり、花粉症も完治へと向かうのです。
この免疫力を正常化して自然治癒力をよみがえらせ、花粉症を完治に導くための方法が花粉症体質改善法なのです。
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